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デイヴィッド・R. ローディガー

アメリカにおける白人意識の構築 (明石ライブラリー) (明石ライブラリー 98) 単行本 – 2006/8/18
私はアメリカに住んだこともなく、黒人や白人の友人もいません。日本という東アジアの島国で一生のほとんどを過ごしています。人種差別がこの世にあることは知っています。日本にも他のアジア人への差別は実在します。個人としてはそのような偏見には陥らないようにしています。いわゆるリベラル的な考え方かもしれませんが、私はそのような現実に直面することが少ないため消極的というか無関心な人だと思います。この本を読んで元々はどのようなことからこのような人種差別が起こったかの一端を知ることができました。近代の黒人=アフリカ系人民の奴隷制から発端していることは理解していましたが、さらに理解が深まりました。
アメリカの人種差別には労働競争が含まれている点も少しは理解できました。この本を読むまでイングランド系アメリカ人、アイルランド系アメリカ人に人種的・待遇的に違いがあるなんて全く思いませんでした。
日本には他人種・他民族との融和を好まない風潮があります。その方が軋轢が少ないからだと思います。日本人はちんまりと静かに暮らしたい願望があるように思います。私もどちらかといえばそんな感じです。日本に古来からある「和」の意識がそうするのかもしれません。知った者同士で和やかに成長しなくても安穏と暮らしたい。これも日本人にとっては一つの理想かもしれません。
アメリカはヨーロッパとも違うのでしょうが、そのような軋轢や居心地の悪さを乗り越えて現在の繁栄があるのでしょう。とはいってもたかだか200-300年の話です。人生100年とすると2-3世代の話ですのでこれからどうなるかはわかりません。また繁栄とは何かという定義・価値観も今後2-300年で変わるかもしれません。私はあと10-20年で死にますが、その後どうなるかは見ものです。かなり傍観者感が強いかな。
アメリカにおける白人意識の構築 (明石ライブラリー) (明石ライブラリー 98) 単行本 – 2006/8/18
説明
アレクサンダー・サクストンの『白人共和国の興亡』 (1990年)やトニ・モリソンの『暗闇での遊び: 白人と文学的想像力』 (1992年)とともに、この本は現代の白人研究の出発点としてしばしば引用される。
デイビッド・R・ローディガー
2014年秋よりカンザス大学アメリカ研究・歴史学の財団特別教授を務めている。以前は、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)のケンドリック・C・バブコック歴史学教授を務めていた。研究分野は、人種的アイデンティティの構築、階級構造、労働研究、そしてアメリカ急進主義の歴史などである。
