選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義

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シーナ アイエンガー (著), 櫻井 祐子 (翻訳)

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫 S 13-1) 文庫 – 2014/7/10

 この本を読むにあたり題名から物事を選択するにあたって、科学的な理論が明確に構築されているのかなと思って読み始めました。実際に読んでみるといろいろな選択に対する科学的な考察はされてますが、それが普遍的な理論かというと少し疑問です。たくさんの選択に対して分類して体系づけてはいますが、どちらかというと経験論的な印象を受けました。この辺が物理や数学と違って社会系の学問が科学的でないと批判される一つの要因かと思います。ただそのへんが難しいというところも感じます。
 著者はシーク教徒でアメリカ移民の子息です。シーク教徒の世界からアメリカの世界を見てアメリカの世界に自分の活路を見出した方だと思います。ある種のアメリカンドリームかもしれません。こういうところがアメリカのいいところなんだと思います。
 日本も捨てたもんじゃないとは個人的には思っています。なぜなら出自が有利な場合、有利な人生起こる可能性が高くなりますが、出自が有利じゃない場合でも自己の努力、例えば学業成績などで自己実現できる余地があります。現代の日本で家が貧乏だから、貴族じゃないから、宗教的指導者じゃないから、不幸な人生を底辺の人生を送るというふうに決まったものではありません。何らかの解決策を選択できる国ではないかなと個人的には思っています。
とは言いますが個人的には裕福ではないにしろ一般レベル家庭に生まれ育った身としては甘いのかもしれません。

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫 S 13-1) 文庫 – 2014/7/10

説明
アメリカ移民のシーク教徒の子として生まれた著者が、アメリカの公立学校で「選択」の力を教えられ、大学で研究テーマとした「選択」に関する研究をわかりやすく記した書。 ・なぜ選択に力があるのか、その力は何に由来するのか ・選択を行う方法は人によってどう違うのか ・出身や生い立ちは選択を行う方法にどのような影響を与えるのか ・なぜ自分の選択に失望することが多いのだろう ・選択というツールを最も効果的に使うにはどうしたらいいのか ・選択が無限にあるように思われる時、どうやって選択すればいいのか ・他人に選択を委ねた方がいい場合があるのか ・その場合、誰に委ねるべきか。そしてそれはなぜか NHK・Eテレ「コロンビア白熱教室」も再々放送されるなど話題となったベストセラーであり、人生指南書としても役立つノンフィクション。

シーナ アイエンガー
コロンビア大学ビジネススクールの経営学部の教授であり、選択の専門家として広く知られています。彼女の研究は、人々が選択を望む理由、私たちが何をどのように選択するかに影響を与えるもの、そしてどのように意思決定を改善できるかなど、意思決定のさまざまな側面に焦点を当てています。

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