口語訳 古事記 神代篇

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三浦 佑之

口語訳 古事記 神代篇 (文春文庫 み 32-1) 文庫 – 2006/12/6

 中学校か高校で読んだ古事記を読み返しました。「日本はイザナミ・イザナギの兄妹が作り、そこから派生して八百万の神が生まれ、その最高神であるアマテラスオオミカミが孫を使わして統治する国だよ」という本です。いわゆる神話です。でもこの神話は人々の間で伝承されて残ったというのではなく、おそらく天皇家が統治の正当性を当時から未来に語り継ごうという意思をもって編まれた神話と思われます。結果的に2025年の現代においても「事実ではないが、現在の天皇家の正当性を表す何らかの証拠の一つ」として機能しているので、制作時の意図は成功だったかなと思います。
 以外と神話が好きです。神話には世界中でいろいろと共通したり似ている点が多い気がします。結局人種、環境が違えども人間が考えることは大差ないということかな。

口語訳 古事記 神代篇 (文春文庫 み 32-1) 文庫 – 2006/12/6

説明
日本の神々や国の成り立ちが、平易かつ格調ある口語訳で鮮やかに蘇る。愛、争い、死、そして物語を彩る鳥や花、歌。古代の豊かな世界

三浦 佑之
1946年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。成城大学文芸学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学、千葉大学を経て、立正大学教授。古代文学を専攻し、伝承・昔話や地方の言語などを多岐にわたり研究。『村落伝承論』(五柳書院、1987)を著し第五回上代文学会賞受賞。2002年に古老の語り口調で訳した『口語訳古事記』(文藝春秋)で第一回角川財団文芸賞を受賞



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